カナダへの海外引越しに必要なBSF186とは?記入方法と注意点

カナダへの海外引越し手続き

カナダ移住時に必要な
BSF186・BSF186Aとは?

フォームの役割、記入内容、入国時に注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

本記事について

本記事は、カナダ国境サービス庁(CBSA)が公開しているBSF186公式ページの内容をもとに、日本からカナダへ移住される方に向けて、海外引越しの実務に沿うよう分かりやすく再構成し、補足説明を加えたものです。

カナダへ移住する際、船便や航空便で送る引越荷物について、カナダ税関へ申告する必要があります。その際に使用されるのが、カナダ国境サービス庁(CBSA)の「BSF186」「BSF186A」です。

特に重要なのは、カナダへ最初に入国する際に、後日届く引越荷物も含めて申告しておくことです。申告されていない荷物は、後から到着した際に免税扱いを受けられず、関税や税金が課される可能性があります。

BSF186申告の基本フォーム
BSF186A品物の追加明細表
入国時に申告別送品も忘れずに

BSFフォームとは?

一般に「BSFフォーム」と呼ばれているのは、主に次の2種類です。

フォーム 役割
BSF186 申告者の情報、申告区分、荷物の概要などを記入する基本フォーム
BSF186A 品物が多く、BSF186だけでは書ききれない場合に使用する明細表

BSF186の正式名称は「Personal Effects Accounting Document(個人所有物申告書)」です。以前は、BSF186が「B4」、BSF186Aが「B4A」と呼ばれていたため、引越会社や現地担当者から旧名称で案内されることもあります。

BSF186は、主に次の方を対象としています。

  • 初めてカナダに居住する方(Settler)
  • 海外生活を終えてカナダへ戻る方(Former Resident)
  • カナダに季節用住宅を所有・賃借する方(Seasonal Resident)
  • 相続などにより家財を受け取る方(Beneficiary)

日本からカナダへ初めて移住し、12か月を超えて居住する予定の方は、通常「Settler」に該当します。

カナダ国境サービス庁のBSF186フォーム1ページ目
BSF186フォーム(1ページ目)。氏名・住所、荷物の内容と価格、申告区分などを記入します。

なぜBSFフォームが必要なのですか?

カナダへ移住する方が、一定の条件を満たした使用済みの家財や身の回り品を持ち込む場合、関税・税金の免除を受けられることがあります。

BSF186と荷物明細は、持ち込む品物が次のようなものであることを税関へ申告するために使用されます。

  • 本人または家族が使用する家財・身の回り品である
  • 原則として、カナダ入国前から所有・所持・使用していた
  • 商売や転売を目的とした商品ではない
  • カナダへ持参する品、または後日カナダへ届く品である

フォームを提出すれば自動的に免税になるわけではありません。免税の可否や追加書類の必要性は、CBSAの税関職員が判断します。

「入国時に持参する品」と「後から届く品」

荷物は、次の2つに分けてリストを作成します。

Goods Accompanying

入国時に持参する品

本人がカナダへ入国する際に、手荷物や預け荷物として一緒に持ち込む品物です。

  • スーツケース内の衣類
  • ノートパソコン
  • スマートフォン
  • カメラ、アクセサリー
  • 入国時に携帯する日用品

Goods to Follow

後から届く品

本人の入国後に、船便、航空便、国際宅配便などでカナダへ届く品物です。

  • 家具、寝具
  • 食器・調理器具
  • 衣類、書籍
  • 家電・趣味用品
  • 別送する段ボール箱

この2種類は混在させず、別々のリストまたは別々のBSF186Aに分けて作成しましょう。

最初の入国時に申告することが重要です

1

出発前にリストを準備

入国時に持参する品と、後日到着する船便・航空便の品を分けて作成します。

2

最初の入国時に税関へ申告

別送品がまだ日本にある場合でも、「後からこの荷物が届きます」と申告します。

3

確認済み書類を保管

税関で確認・押印された書類は、後日届く引越荷物の通関時に使用します。

CBSAの案内では、申告者が提出した荷物リストをもとに、税関職員がBSF186を完成させ、管理番号を付与すると説明されています。手続きを円滑にするため、BSF186および荷物リストを事前に準備しておくことをおすすめします。

BSF186に記入する主な内容

1.申告者の氏名・住所

「Importer’s name」には、荷物を輸入する本人の氏名をパスポートと同じ表記で記入します。「Importer’s address」には、通常カナダでの住所を記入します。住所が確定していない場合の記入方法は、CBSAまたは現地の通関担当者へ確認してください。

2.原産国・輸出国

  • Country of origin:品物の原産国
  • Country of export:荷物を発送する国

日本から引越荷物を発送する場合、「Country of export」は通常「Japan」です。

3.入国・移住に関する情報

  • カナダへの入国地・入国日
  • Permanent Residentに関する情報
  • UCI(Unique Client Identifier)
  • ビザ、永住権関係書類など

税関職員が使用する欄もあります。不明な項目を推測で記入せず、税関で確認するほうが安全です。

4.荷物の内容と申告価格

「Description of Goods」には、持ち込む家財や身の回り品の内容を英語で記入します。品物が多い場合は、BSF186Aまたは引越会社が作成した英文の荷物明細を添付します。

英語での品名 内容 申告価格例
Used clothing 使用済み衣類 CAD 500
Kitchen utensils 台所用品 CAD 300
Books 書籍 CAD 200
Used table and four chairs 使用済みテーブル・椅子4脚 CAD 400
Laptop computer, brand/model/serial no. ノートパソコン CAD 600
Camera, brand/model/serial no. カメラ CAD 450

通常の衣類、食器、書籍などは、ある程度まとめて記載できます。一方、パソコン、カメラ、テレビ、楽器、宝飾品、美術品、高級腕時計、自転車、電動工具などは、できるだけ個別に記載し、メーカー名・型式・シリアル番号も記入してください。

5.申告価格はカナダドルで記入

品物の価格は「Value(CDN Dollars)」、つまりカナダドルで記入します。使用済みの品物は、新品購入時の価格ではなく、現在の状態や使用年数を考慮した妥当な価格を記載します。

極端に低い金額や根拠のない金額は避けましょう。高価品は、購入時の領収書、写真、型式などを保管しておくと安心です。

6.車・バイク・船などを輸入する場合

「Conveyances」の欄には、メーカー、車種・モデル、製造年、車台番号またはシリアル番号、カナダドルでの価格、該当する車両輸入関係書類の番号などを記入します。

車やバイクは、家財とは別にTransport Canadaの輸入基準を満たす必要があります。登録費用、改造、検査などが必要になる場合もあるため、発送前に輸入可否を必ず確認してください。

BSF186Aには何を記入しますか?

BSF186Aは、BSF186の明細を補うための追加リストです。主に次の情報を記入します。

  • 品物の番号
  • 品名・説明
  • メーカー名やモデル
  • シリアル番号
  • カナダドルでの価格

船便と航空便の両方を利用する場合は、次のように分けておくと確認しやすくなります。

  1. 入国時に本人が持参する品
  2. 航空便で後から届く品
  3. 船便で後から届く品

引越会社から英文のPacking ListやInventory Listを受け取っている場合は、BSF186Aの代わりに使用できることがあります。税関で必要とされる情報が十分に記載されているか、事前にご確認ください。

申告区分「Classification Type」

Settler

初めてカナダに居住し、12か月を超えて恒久的に生活する意思がある方です。日本から初めてカナダへ移住する方は、通常こちらに該当します。

Former Resident

以前カナダに住んでおり、海外での生活を終えてカナダへ戻る方です。原則として、海外に1年以上居住していた、またはカナダを1年以上継続して離れていたことなどが条件となります。

Seasonal Resident

カナダ国内に一定条件を満たす季節用住宅を所有または賃借し、初めてその住宅で生活するために家財を輸入する方です。

Beneficiary

海外にある家財を相続などによって無償で受け取る方です。死亡証明書、遺言書、裁判所関係書類、遺産執行者による証明などが必要になる場合があります。

記入・提出前のチェックリスト

  • BSF186を準備した
  • 荷物が多い場合はBSF186Aまたは英文明細を準備した
  • 入国時に持参する品と、後から届く品を分けた
  • 船便・航空便で発送する品を漏れなく記載した
  • 高価品のメーカー、モデル、シリアル番号を記載した
  • 価格をカナダドルで記載した
  • 高価品の写真や領収書を保管した
  • パスポート、ビザ、永住権関係書類を用意した
  • 税関へ提出する書類の控えを用意した

書類は予備を含めて2部用意し、紙だけでなくPDFなどのデータも保存しておくことをおすすめします。

返却された書類は大切に保管してください

最初の入国時に税関で確認されたBSF186や荷物リストは、後日、船便・航空便の引越荷物を通関する際に必要です。次の書類は、通関が完了するまで紛失しないようにしてください。

  • 税関で確認・押印されたBSF186
  • BSF186Aまたは荷物明細
  • Goods to Followとして確認されたリスト
  • 税関から渡された受付番号・管理番号が分かる書類

原本を紛失すると、後から届く荷物が事前に申告されていたことを証明できず、通関に時間がかかったり、関税・税金が発生したりする可能性があります。

注意が必要な品物

BSF186に記載しても、すべての品物を自由に輸入できるわけではありません。次のような品物には、輸入禁止・制限、許可、検査などが設けられている場合があります。

  • 食品
  • 酒類・たばこ
  • 医薬品
  • 植物・種子
  • 肉製品・乳製品
  • 動物由来製品
  • 武器・刃物
  • 車両
  • ワシントン条約の対象品
  • 新品・商業目的の品物

これらを発送する場合は、引越会社およびカナダ側の関係機関へ事前に確認してください。

まとめ

BSF186とBSF186Aは、カナダへの移住時に持ち込む家財や、後から届く引越荷物を税関へ申告するための重要な書類です。

  1. 入国時に持参する品と、後から届く品を分ける
  2. 後から届く船便・航空便も、最初の入国時に申告する
  3. 税関で確認された書類を、荷物の通関が終わるまで保管する

申告内容や必要書類は、滞在資格、移住状況、荷物の種類によって異なる場合があります。出発前に最新版のフォームとCBSAの案内をご確認ください。

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